レポート・インタビュー 2017年7月6日

【イベントレポート】浦和大学の入試説明会にて倉部理事が基調講演を行いました


2017年6月21日(水)、理事の倉部が浦和大学の入学試験説明会にて高校教員向けに基調講演を行いました。
 
倉部は高校生の進路開発に携わる専門家として、全国の高校・大学や進路指導協議会で講演を行なっています。すでにある選択肢からの「進路選び」ではなく、一人ひとりの高校生に適した「進路づくり」という視点から、また大学事情にも精通している立場から、高大接続をテーマにお話しする機会が年間を通じて多く、全国各地を飛び回っています。
 
 
文科省主導で進められている大学入試制度改革は、いまだにその全容が明らかになっていません。
今から対策を打つことができるのか、悩まれている教員の方もいらっしゃるのでは……ということで、講演テーマは「進路指導に求められる高大接続の視点〜15年後の社会を生き抜く力を磨くために〜」と設定し、高校・大学両方の課題をひもときながら、いま行うべきことを解説する内容となりました。
 
 
講演の冒頭でご紹介したのがこちらの問いです。
現在の小学1年生の○○%は将来、現時点で存在していない職業に就く
さて、皆さんはこの○○%に入る数字、想像がつくでしょうか?
 
 
正解は、なんと65! これまでは、「将来、どんな仕事につきたいか」というゴールから逆算する進路指導が行われていました。しかし、これからは仕事そのものが変わっていく時代です。変化に対応する力を大学でどのように磨いていくかが問われているわけです。
 
ほか、「コンビニよりも歯科医院の方が多い」というデータも。単に資格を取れば一生安泰というわけではなく、「その資格を自分でどう活かすか」という視点が大事なのですね。同じ歯科医師でも、ニーズの高い専門技術をさらに磨いたり、経営の工夫をしたりと、勝負の仕方は様々。そうなると、同じ資格が取れるならどんな大学でも良い……というわけにはいきません。看護師や薬剤師、社会福祉士や保育士など、他の専門職でもこうした点は共通なのです。
 
講演では、こういった時代の変化を前提とし、大学進学に関するリアルな事実や、2020年度以降の高大接続の議論を踏まえた提言をさせていただきました。
 
そのうちの事実の一つが、大学からの中途退学の問題です。
進学率の上昇とともに、四年制大学の中退者は確実に増加しています。
四年制大学の中退者は年間約8万人(5年前より20%増)、大学の再受験者は年間約4万人。 
大学に進学した大学生の実に12%が中退している計算になります。
*H27年12月25日文部科学省公表 H27年度学校基本調査(確定値) 
 
 
 
*参考:山本繁『つまずかない大学選びのルール』(ディスカバートゥエンティワン)より
 
中退や留年がすべて悪い訳ではありません。しかし、大学入学が気軽になってしまったがゆえに、なかには後悔を生む中退起きているのも事実です。
そういった中退の多くは、大学と受験生のミスマッチから生じています。NEWVERYでは、進学時ミスマッチを高校と大学の連携で防ぐためにWEEKDAY CAMPUS VISIT(WCV)という取り組みを行なっています。
 
WCVは、学期中の大学で高校生が大学生と同じ授業に参加し、「普段の一日」を体験するプログラムです。大学・学部の学びの内容や、授業の進め方、大学生の普段の様子などをリアルに知ることができ、認定WCVコーディネーターとの対話によって、高校生が自分の進路について考えながら、「大学の見方」を習得できるように工夫されています。
会員大学が行っている入学後の追跡調査では、WCVに参加して入学してきた学生は中退率が低いなどの成果が報告されています。
 
 
WEEKDAY CAMPUS VISIT
目的:
・学びの様子を知り、進路選択に活かす
・学びの実態を自分の目で確かめる
実施時期:
・祝日や土曜日など、高校生が休みで、大学の授業が行われている日
体験する講義:
・実際の講義。長さ、内容は大学生と同じ
・大学生と一緒に受講する
いる人:
・普段通りに学校生活を送る大学生たち
位置づけ:
・大学生と同じ一学習者
 
 
大学によって学びの環境は様々です。例えば大教室での講義形式と、少人数でのアクティブラーニング形式では、身につく力も、授業に臨む際の準備や心構えもまったく異なります。一概にどちらがいいとは言えず、人それぞれに適性があるのです。
 
 すでに周知の通り、2020年以降は大学入試が変わり、例えば大学入学共通テスト(現センター試験)では、これまでのように筆記試験の素点が公表されなくなります。
 必然的に、受験生をどう評価するか、それぞれの大学が独自の判断基準を設定するようになり、送り出す高校と受け入れる大学の連携がますます重要になってくると言えます。
 
 大学の4年間の成長はブラックボックスです。注目されるのは入試と就職関連の話ばかり。それを透明ボックスにするため、大学は努力しています。どのように成長したいか、高校生のうちから一人ひとりに考えさせることができれば……という倉部の投げかけで、講演は終了しました。
 
参加してくださった高校教員の皆さん、ありがとうございました。
 
現在、浦和大学を含め全国にてWCVを実施しています。
申し込み受付中です。詳細はこちらからご確認ください。
 
倉部理事による講演のお申し込みは、下記にて受け付けております。
 
NEWVERY事務局
Mail: nv-info-poc●newvery.jp (●を@に変えてください)